今すべき6つの理由

6 REASONS

今、CVC投資をするべき
6つの理由

この数年、日本企業によるCVC設立が相次いでいます。なぜ、今、CVC投資をするべきか、6つの観点で、まとめました。CVC投資に興味がある方、始めようか検討されている方をはじめ、新規事業立ち上げに取り組んでいる方々に是非、目を通していただけたらと思っております。

REASON

1

資金が余剰ぎみの企業の新規事業立ち上げ

好業績の企業や業歴の長い企業の中には、内部留保(利益剰余金)を積み上げており、多額の現預金を有しているケースが散見されます。

そのような場合、現預金の一部を投資事業組合への出資に振り向け、新規事業のシーズを獲得するために用いることが、企業の発展のために、有益です。

資金をだぶつかせておかずに、積極的にCVC投資を行うことは、株主(株式市場)からの評価を得られやすい活動ともなります。

REASON

2

CVCによるオープン・イノベーションの推進(自前主義からの脱却)

新規事業立ち上げには、次のように、クローズド・イノベーションとオープン・イノベーションの2つがあります。

オープン・イノベーションは、2003年に、ヘンリー・チェスブロウが提唱し始めた考え方です。自社の技術を外部に提供するアウトバウンド型のオープン・イノベーションもありますが、新規事業立ち上げの観点からは、外部の技術シーズや事業シーズを内部に取り込み、内部の技術等のリソースと組み合わせて、新しいものを生み出していくインバウンド型のオープン・イノベーションがメインとなります。

これは、クローズド・イノベーション(自前主義)の NIH症候群(Not Invented Here:自分達で開発したもの以外は意味がない…という考え方)からの脱却において、有益です。

REASON

3

「イノベーションのジレンマ」からの脱却

Harvard Business Schoolのクレイトン・クリステンセン元教授が提唱した「イノベーションのジレンマ」、すなわち、「大企業は、既存の製品や顧客を持っているがゆえに、破壊的なイノベーションを生み出しにくい」という問題の解決にも、CVCによるオープン・イノベーションは、有益です。

コーポレート・ベンチャーキャピタル・ファンド(CVCファンド)を設立して、自社の新規事業にプラスになりそうな技術や事業モデルを持っているベンチャーに投資して、投資先ベンチャーと組んで、新規事業を立ち上げていく方策は、非常に有効です。

社内だけで、なかなか進まない時に、外部の技術、アイディア、人などの経営資源を取り込むことで、ブレイクスルーをさせていくために、ベンチャー企業(スタートアップ企業)への投資は不可欠と言えます。

REASON

4

「知の探索」のためにも、CVC投資は有効!

スタンフォード大学のジェームズ・マーチの1991年の論文(March, J. 1991. “Exploration and Exploitation in Organizational Learning,” Organization Science, vol.2:71-87.)では、イノベーションを生み出すためには、①知の範囲を広げる「知の探索」=explorationと、②一定分野で知を継続して深める「知の深化」=exploitationがあると説明されています。

そして、その後の経営学の研究により、「知の探索」(exploration)と「知の深化」(exploitation) のAmbidexterity(両利き)が大切であり、イノベーションに長けた企業ほど、その2つを両立しているとされています。

しかし、企業組織は、どうしても、「知の深化」(exploitation)に偏り、「知の探索」 (exploration)を怠りがちということがあります。

すなわち、いま業績のあがっている分野の「知の深化」のほうが、短期的な効率性はよく、好まれる一方で、「知の探索」は、手間やコストがかかるわりに、収益に結び付くかが不確実のため、敬遠されがちとなります。結果として、知の範囲が狭まり、企業の中長期的なイノベーションが停滞してしまうことになります。この現象を、「コンピテンシー・トラップ」と呼びます。

次の図で、オレンジ色の実線が適切なバランスだったとしても、ピンク色の点線のほうへ、どうしても偏ってしまうということとなります。

知の探索を行なって、この問題を解決するためにも、CVC投資によって、オープン・イノベーションを推進する必要があります。

REASON

5

CVC投資のEXITとしての新規事業立ち上げ

通常のベンチャーキャピタル投資の出口(EXIT)は、(1)株式公開、あるいは(2)第三者への売却(M&A)となりますが、CVC投資の場合は、投資回収が、新規事業としての採択、新規事業プロジェクトの立ち上げ、内部化となります。つまり、うまくいっている投資先企業と提携したり、買収して内部化したりすることが、EXITとなります。

このように、CVC投資のEXITの成果として、新規事業を獲得していくことができます。

REASON

6

オープン・イノベーション促進税制が2020年4月にスタート!

国内の事業会社及びそのCVCが、設立10年未満の未上場のスタートアップ企業に、1億円以上投資した場合(海外企業の場合5億円以上)、課税所得から、投資額の25%を控除する制度が、2020年4月にスタートしました。政府も、CVC投資によるオープン・イノベーションの推進を後押ししています。

このような政策的なサポートも、今、CVC投資をするべき一つの理由となるでしょう。

CVCに関する基礎知識や解説については、
下記も合わせて、ご覧ください。

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