CVC JAPAN株式会社

新規事業のためのCVC活用の教科書~オープン・イノベーションの実践ツール~

冨田賢の新刊書、発売!

いま話題のCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)の基本がよくわかる!
 大企業・中堅企業にとって新規事業立ち上げの有効な手段として近年注目されているのがCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)です。将来性が有望なベンチャー企業に出資を行うことで、投資先の持つ技術やアイディアを獲得できるというオープン・イノベーションの実践ツールとなります。ベンチャー企業にとっても大企業から出資を得られるというメリットがあります。政府も2020年4月施行を目指して、「オープン・イノベーション促進税制」法案を国会に提出し、この流れを後押ししています。本書はこのCVCについてわかりやすく解説すると同時に、実践するためのテキストとなっています。

目次index

はじめに

第1章オープン・イノベーションによる新規事業の立ち上げarrow_drop_down

  • .日本企業を取り巻く環境と新規事業立ち上げの必要性
  • .外部への「知の探索」によるイノベーションの創出
  • .CVCによる新規事業の立ち上げ

第2章CVCの基礎知識と設立のメリットarrow_drop_down

  • .CVCの基礎知識
  • .CVC設立のメリットとその仕組み

第3章CVCの設立までの流れと設立形態arrow_drop_down

  • .何を目標・目的としたCVC投資を行うかを明確にする
  • .CVC設立形態と根拠法
  • .ベンチャー・ファンド設立の根拠法

第4章CVC投資の案件発掘と投資審査arrow_drop_down

  • .投資対象の選定と案件の発掘
  • .投資先の見極め方とデュー・ディリジェンス

第5章投資後のフォローアップと協業の推進arrow_drop_down

  • .投資先企業のフォローアップと投資のエグジット
  • .投資先企業とのコラボレーションの推進
  • .CVCの活動の成果評価、組織上の阻害要因
付録①「CVC投資の最新手法ディスカウント型コンバーティブル・ノート」
付録②「各社のCVCの事例紹介」
巻末特別対談冨田賢×林野宏(クレディセゾン代表取締役会長CEO)
おわりに
参考文献

本書の「はじめに」の文章をご紹介します!本の概要が書かれています

はじめに
              
 この数年の日本企業の業績は、好調が続いてきました。その中で、内部留保を貯め込んできている企業が増加している状況にあります。このような状況の下、今後の企業経営を見据えた際、何をすればよいのでしょうか?
 事業にも、人間の一生と同じようにライフサイクルが存在します。そのため、売上・利益を享受できていた事業も、いずれは終焉を迎えます。その一方で、企業は、人材や工場設備などの固定費を抱えています。それらのコストをまかない、企業をさらに発展させていくためには、継続した新規事業の立ち上げが不可欠です。
 しかしながら、社内の経営資源のみを用いるのでは、新規事業のシーズとなる技術やアイディアを創出するのに限界があることもまた事実です。
 したがって、これからの時代に新規事業の立ち上げを推進していくには、オープン・イノベーション戦略、すなわち、外部のベンチャー企業等が生み出した技術やアイディアを取り込んで、社内の経営資源と組み合わせていくという発想が大切です。その重要なツールが、コーポレート・ベンチャーキャピタル(Corporate Venture Capital CVC)です。
 CVCとは、事業会社が設立するベンチャーキャピタル(VC)のことです。具体的には、将来有望なベンチャー企業に出資という形で投資することで、投資先企業の持つ技術やアイディアを取り込むことを言います。
 CVC投資の形態には、ファンド、事業会社の設立した子会社VC、事業会社の直接投資など何種類かあります。しかし、投資の目的は、フィナンシャル(金銭的)なリターンではなく、投資先との事業シナジーや新規事業立ち上げのシーズ獲得など、ストラテジック(戦略的)なリターンを目指します。
 CVC設立によるベンチャー投資は、もちろんリスクも伴います。しかし、本書で解説するように、ベンチャー投資は「分散投資」や「マイルストーン投資」などの投資理論にきちんと従って行えば、それほどリスクが高いものではないと言えます。
 筆者は、次の時代を見据えた新たな収益源や事業の柱を作っていくために、みなさんにぜひCVCを有効活用していただきたいと考えています。その手引書となるのが本書です。

〈本書の構成〉
 本書では、何種類かあるCVC投資形態の中で、とりわけ専用ファンドの設立、すなわち「二人組合(ににんくみあい)」の形態によるCVCを中心に、新規事業立ち上げのためにCVCをどのように設立して、運営していくのかについて、筆者の実務的な経験に基づいて解説していきます。
 まず第1章では、継続した新規事業立ち上げの大切さやオープン・イノベーションによる新規事業創出について解説します。なぜ今、CVC設立が必要なのかを理解していただきたいと思います。
 第2章では、ベンチャーキャピタルについての基礎知識を解説した後、CVC設立のメリットや効果、ベンチャー投資の理論について解説します。ここではCVC設立のメリットを網羅的に理解していただきたいと思います。
 第3章では、CVCの形態ごとに、それぞれのメリットとデメリットについて比較して解説します。ここでは、外部VCを活用した専用ファンド(二人組合)の形態(図表1)の利点を説明します。また、ファンドを設立するための根拠法についても解説します。
 第4章では、投資対象企業の発掘にあたって投資対象分野の決定、海外投資の取り扱い、案件発掘の仕方、デュー・ディリジェンスの進め方、投資委員会の形成と意思決定などについて解説します。筆者の実務経験をもとに書いてあります。
 第5章では、投資後のフォローアップ、投資先ベンチャー企業との協業の推進、投資のエグジット(出口戦略)の捉え方、投資先ベンチャー企業とのコラボレーションの難しさなどについて解説しています。また、CVC投資の評価や組織上の阻害要因についても触れています。
 その他、付録として、昨今米国カリフォルニアでアーリー・ステージでの投資において中心的な投資手法となっている「ディスカウント型コンバーティブル・ノート」について紹介・解説するほか、CVCの事例も、筆者が教授(特任)を務める立教大学大学院ビジネスデザイン研究科(MBAコース)の「ベンチャー金融論」での受講生の発表事例をもとに収録しています。
最後に、CVC投資を含むさまざまなオープン・イノベーション戦略を積極的に採っている株式会社クレディセゾンの林野宏会長との対談を掲載しました。

 本書の執筆にあたっては、筆者がCVCの運営を受託する企業との守秘義務の関係から、あいまいな表現や解説にならざるを得ない部分もあります。その点については、事情をご理解いただけたら幸いです。
 本書が、CVCを用いて新規事業の立ち上げに取り組もうとしている方々に少しでも役立つことを願うとともに、幅広く新規事業立ち上げの打開策を得たいと思っておられる多くのビジネスパーソンの方々にお読みいただけたら幸いです。

2020年1月吉日
CVC JAPAN株式会社 代表取締役社長 冨田賢
            

著者紹介author

冨田賢(とみた さとし)

CVC JAPAN株式会社 代表取締役社長、元・立教大学ビジネススクール特任教授
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了、博士号(Ph.D)取得。独立系ベンチャーキャピタル立ち上げに参画し、自社及び投資先数社の株式上場(IPO)を達成。2008年、新規事業立ち上げに関する経営コンサルティング会社を設立し、200社以上のコンサルティングを行う。2017年から東証一部上場企業のコーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)を複数受託運営し、米国カリフォルニアやシンガポール、オーストラリア、日本のベンチャー企業への投資を行っている。元・カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCサンディエゴ)客員研究員。主な著書に『新規事業立ち上げの教科書』(総合法令出版)、『IoT時代のアライアンス戦略』(白桃書房)など。

これまでの冨田賢の著書books