TCニューズレター(紙媒体&Web)2016年4月号を発行いたしました!(IoT収益化はニーズの強さと損益がポイント!、オフィス改修、IoT専用Web、ポジティブ脳、セミナー他)

紙媒体でのニューズレター

『冨田賢の新規事業のための賢’s 情報Station』

の2016年4月号を発行いたしました!

 

巻頭特集:『IoTの収益化のポイントは、ニーズの強さと損益分岐を合わせる!

    ~強いニーズを探索し、アライアンスでコストを下げる!~』


当社は、電子メールのメールレター(配信申込とバックナンバーはこちら!)に加え、

毎月1回、紙媒体で4ページのニューズレターを発行しております。

 

巻頭特集や、セミナー開催報告・開催情報、

冨田賢のWorking Space、TCからのお知らせを掲載しています。

 

TCニューズレター2016年4月号のPDFは、こちら!TC_Newsletter_201604


※コンサルティング先企業様には、必要部数ずつ、印刷したものを、

 ご郵送させていただいております。

 

以下、JPEGの画像と、テキストデータも、掲載いたします。






 

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<2016年4月号のテキスト・データ>

 

IoTの収益化のポイントは、ニーズの強さと損益分岐を合わせる!

~強いニーズを探索し、アライアンスでコストを下げる!~

 

【巻頭特集】

IoT(Internet of Things)とは何か?

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)は今、新規事業立ち上げのメイン・フィールドです。「あらゆるものがネットにつながるというインターネット・オブ・シングス(IoT)」というフレーズは、新聞記事などでもよく見かけると思います。

 IoTとは、「センサ・カメラ・計測器等で取ったデータを、インターネット(ICT)につなげて、クラウドし、そのビッグデータを人工知能(AI)で分析して、精緻な予測や自動制御をすること」(冨田の定義)です。つまり、これまでは、インターネットにつながっているものは、パソコンやスマホ、サーバーなどだったわけですが、様々なセンサ、カメラ、マイクなどのデータを取る機器がインターネットにつながるから、あらゆるモノがつながるIoTと言うのです。ICタグもその1つで、1999年にMITのRFID(ICタグ)の研究者であるケビン・アシュトン先生がIoTという言葉を世界で最初に言ったのが始まりです。

 

★IoTの事業化については、当社のWebに新しいページができました!

https://www.cvcjapan.com/wp/consulting/senryaku10

 

 

まだIoTを収益化できている企業は少ない

IoTは、2015年に「ハイプ・サイクル」(Hype Cycle、Hypeは誇大宣伝、過剰広告という意味)の過度な期待のピーク期を越えて、2016年、やや幻滅期に入っていると思います。IoTに、非常に関心が高まっていますが、なかなか、IoTをビジネスにできている企業は少ないのが実情だと思います。

 

 

IoTのニーズは非常に多い!

とはいえ、IoTで、こういうことができたらいいなぁというニーズは、たくさんあります。IoTへのニーズは、本当に、多いのです。しかし、問題は、「こういうのがあったらいいよね?」が、「お金を払ってでも使いたいと思うほど強さがあるかどうか?」ということです。タダだったら、やってほしい、というものでも、初期の開発費用や、固定費となる月々などの利用料がかかってくるとなると、ユーザーが嫌がって、買ってもらえないということが起きます。

 

 

IoTの2つのパターン

 IoTにおいては、誰がおカネを払うのかがポイントになります。その観点からは、IoTは、2パターンあります。

 自社が、①「新たな収益源の獲得」のためにIoTに取り組むのか、②「効率化・生産性の向上」のために、自社の情報投資として行うのか、です(その両方のために取り組むケースや、IoTを構成する“要素”を担う企業もあります)。

 特に、①のパターンで、IoTに取り組む場合は、お客様(ユーザー)が、こういうことをやってほしい、こういうことができたらいいなぁの度合い、つまり、ニーズが、どのくらいの強さであるかがポイントです。

 

 

収益化では損益分岐とニーズの強さを合わせる!

 次のグラフは、冨田賢がオリジナルに作成した図ですが、これをもとに説明しましょう。

 損益分岐点は、ここのところ、通信コストが下がったり、デバイスの価格が下がったりして、損益分岐のライン(ブレーク・イーブン・ライン)の上を、右下下がりで下がっている傾向にあります。

 そうすると、ユーザーのニーズの強さ(=ユーザー価値・メリット)が多少、これまでよりも、弱い度合いのものであっても、損益分岐が合うようになります。

 もちろん、ビジネスは、「お客様や世の中の困り事を解決した対価をもらうもの」(冨田賢著書『新規事業立ち上げの教科書』より)ですので、「ユーザー・ニーズをがっちり掴む!」(ニューズレター2015年11月号)ということが何より重要です。出来るだけ強い、ユーザーのニーズを掴めば、損益分岐が高い状態でも、ビジネスとして成り立つようになります。

 出来るだけ強いIoTへのニーズを探索しながらも、他方で、損益分岐を下げていくことが、IoTを収益化し、ビジネスとして成り立たせるための最大のポイントとなります。「ニーズの強さと損益分岐を合わせる」がポイント!です。

 

 

損益分岐を下げるためにはアライアンス!

 「損益分岐を下げる」は、当たり前…と思われるかもしれません。じゃあ、どうするか?

 一から、開発していたら、時間がかかるうえに、開発コストが膨らむ!わけですので、IoTの構築において、必要な部分(技術、機器、通信、販売・組み立てなどの機能など)を有している企業とアライアンスをする!ということになります。すでにそれができている会社、持っている会社とアライアンスをすることが戦略として有益です。もちろん、利益のシェア、費用の発生はあるわけですが、自前で全部やるのと、どちらがよいか?です。アライアンスを活用したほうがメリットがあるケースが多いです。

 やはり、「オープン・イノベーション」の考え方を重視し、自前主義(「クローズド・イノベーション、NHI症候群、Not Invented Here Syndrome」から脱却し、外部から「知」や経営資源、機能を獲得していくスタンスが大切です。それを実行するツールが、アライアンスです。

 

 

IoTは、これまでのようなコスト構造ではない

 私の知人で、シリコンバレーで、20年以上、コンサルタントをしている黒田豊さんが、『なぜ日本企業のビジネスは、もったいないのか』(日経新聞出版)という本を出され、「IoTのキーは生産性」として、下記のような図を掲載されていました。もちろん、私も前述のように、IoTのポイントは、採算性であると考えています。多少、この黒田さんの図は、これまでの自社開発での積み上げ型の開発のイメージです。

 今の時代は、オープン・ソースの発達・普及により、コスト構造が変わってきていると思います。

 下記の図では、時間の経過とともに、新しく生まれた技術に、応用分野としてアプリケーションの付加価値が追加されていき、それにより、ユーザーの価値が損益分岐のラインを越えた時に、ビジネスになるということを示しています。

 これが、先に私がお示ししたような収益構造に変わってきていると言えます。

 

 

IoTはこれからが、正念場!

 冒頭に述べましたように、2015年で、IoTは、「ハイプ・サイクル」(新たな技術:黎明期⇒「過度な期待」のピーク時⇒幻滅期⇒啓蒙期⇒成熟した技術として市場に定着)の「過度な期待」のピーク期を迎えたと言えます。

 2016年、2017年で、しっかり、IoTの事業構築に取り組んだ企業が、今後、安定成長期にさしかかった2018〜2020年以降に、IoTを収益事業にしていけます。

 

 

引き続き、コンサルティングやセミナーにて!

 今回のニューズレターでは、思い切って、有料セミナーでお話している内容を、開示・掲載いたしました。ただ、これだけでは、よくわからない面もあるかと思います。紙面の限りもありますので、詳しくは、有料セミナーや個別のコンサルティング・ミーティングにて、事例も交えながら、解説させていただきたいと思います。

 

 

【セミナー開催報告】

IoT(Internet of Things)時代の新規事業立ち上げ戦略

~アライアンス活用で収益に結び付けよう!~

主催:セミナーインフォ

https://www.cvcjapan.com/wp/archives/7433

 ハイプ・サイクル(Hype Cycle)の過度のピーク期を越えつつあるIoTについて、収益化にあたってのポイントに重点を置いて、お話をさせていただきました。また、アライアンスの学術的な基礎理論についても、解説させていただきました!

 このたびは、今、注目度が高いフィンテック(FinTech、Financial+IT(Technology))についても、お話をさせていただきました。

 セミナーインフォさんのお客様は、金融機関の方々が多いですが、今回も、銀行の取締役の方々や、生命保険会社の役員の方々、そして、シンクタンクの方々、メーカー、ノンバンク、一般事業会社の方々などに御参加いただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

 

<参加者の声>

●事業化のポイントを簡潔に伝えていただき、分かりやすかった。

●社内でIoT、AIを含むデジタル意識のみ一人歩きして方向性が定まっていない状況だが、今後の進め方の参考になりました。

●多くの関連テーマをカバーいただき、IoT・FinTech全般について学ぶことができました。特にアライアンスの活用は事業を企画する上で

 役立ちそうです。

●アライアンスの考え方、進め方が参考になりました。

●日々の業務では聞くことのないIoT、アライアンス等勉強になります。自身のスキル向上になって良かったです。

●改めてIoTやFinTechのユーザーサイドの目的・恩恵を考えねばと思った。頭の整理になりました。

●原理原則に立ち返った体系的な考えが大変役立つ。

 

 

【セミナー開催報告】

オープン・イノベーションで成功させるIoT分野の新規事業立ち上げ

~アライアンス活用による「知の範囲」の拡大と収益獲得~

主催:新社会システム総研

参加費:3万円

https://www.cvcjapan.com/wp/archives/7384

 IoT(Internet of Things)は、新規事業立ち上げのメイン・フィールドとなっているものの、収益に結びついている企業はまだ少なく、2016年は「ハイプ・サイクル」の過剰な期待のピーク期を越えたと言えます。地に足を付けつつ、着実に加速度を付けて、新規事業立ち上げに取り組むべき時期となっています。

 ニーズはあるにも関わらず、多くの企業で、IoTがビジネスとして成り立たないのは、なぜか?、どうすれば、ビジネスとして成り立つようにできるのか?、そのメカニズムをお話しします。

 IoTを収益化するにあたっては、スピード・アップ、成功率アップ、コストの低減からも、アライアンスが重要となります。アライアンスの活用のためには、「オープン・イノベーション」の基礎理論を理解することも必要です。中長期的にイノベーションを生み出し、短期的に収益を獲得するためにも、企業の「知の範囲」をアライアンス活用によって広げることがポイントとなります。

 

 

【お知らせ】

●IoTの事業化コンサルティングのWebページをアップしました!

 当社では今、IoT(Internet of Things)の事業化に関するコンサルティング案件が急増しております。当社のWebにも、IoTについてのWebページを戦略系サービス10として、追加いたしました!

 ▼IoTについてのWebページは、下記です。トップページのバナーからもアクセスできます。

  https://www.cvcjapan.com/wp/consulting/senryaku10

 当社は、2/27~29で、オフィスのリニューアル工事を行いました!

 これまでの会議室スペースと、執務スペースを逆にして、会議室から、青山通りを介して、外苑前の銀杏並木、神宮球場が見えるようになりました!

 テラスには、東京オリンピックに向け、月桂樹の他、クリスマス・ローズ、ローズ・マリー、アイビー、ミニ薔薇、カロライナ・ジャスミンなども植栽いたしました!

 これまで、会議室が手狭でしたが、これで、10名まで、お入りいただけるようになりました。電子ホワイトボードや、大型モニタも、設置させていただきました。

 これから、さらに、皆様には、より良いコンサルティング・ミーティングをご提供してまいります!

 

【Working Space】

 先月は、物事をポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかは、人の後天的にな癖・習慣が影響しているということを書きました。今月も、脳科学のお話を続けたいと思います。

 皆さんは、何か不快に感じることが起こった時に、過剰に反応してしまっていることって、ないですか?

 これは、何か、不快に感じることの情報が脳に入ってきた時に、小脳の中にある扁桃体で、“無意識”に反応してしまうためです。人間も、動物から発展してきていますので、たとえば、草食動物が肉食動物に追われた際に、条件反射的に逃げるのと同じように、不快に思うことこそ、過剰に反応してしまう性質があるわけです。すべて“意識”的に判断をしていると疲れてしまうため、省エネのために、人間にはそのような能力が備わっています。

 しかし、そのようにしていては、必要以上に不快な出来事に気持ちや頭を占領されてしまって、仕事などのパフォーマンスが下がってしまう事態に陥ります。それを避けるためにはどうしたらよいか?

 それは、小脳の扁桃体で、“無意識”に物事を判断してしまわず、しっかり、“意識”的に、物事を客観的に捉えて、その事について、冷静に判断して、対処することが必要です。それを脳において司るのは、大脳皮質の前頭葉となりますので、前頭葉で、しっかり“意識”的に、物事を客観的に捉えて、判断することが大切となります。

 ちなみに、一説では、そのように、小脳の扁桃体で“無意識”的に判断するのではなく、物事に対して、大脳皮質の前頭葉で、“意識”的に物事を捉えるように、トレーニングをしていくと、90日間で、大脳皮質が分厚くなって、発達すると言われています。

 そして、“不快”なことを伝達する脳の神経(シナプス)を発達させるのではなく、“快”なことを伝達するシナプスを鍛えて、発達させると、頭の中で、楽しいこと、“快”を多く充満させることが可能になり、幸せに暮らせるようになるそうです。

 是非、皆さんも、脳の前頭葉を鍛えて、厚くし、“快”をつなぐシナプスを発達させていきましょう。そうすると、嫌な気持ちになることを減らして、それによって、仕事のパフォーマンスが向上します。

冨田 賢

Satoshi Tomita, Ph.D.

株式会社TCコンサルティング 
代表取締役社長

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