コーポレート・ベンチャーキャピタル・ジャパン株式会社

CONTACTCVC設立の
お打ち合わせはこちら
COMPANY会社概要
PROFILE社長経歴
ACCESSオフィスへのアクセス
(外苑前・青山通り)
English

Japanese

COLUMNCVC JAPAN社長によるコラム

2019.07

コーポレートVC設立で、新規事業開拓を!

2014年くらいからの好業績から、内部留保を増加させている大手企業が多い。また、手元資金が潤沢となり、実質、無借金経営となっている大手企業も、統計によると半数を超えている。この状況は、かつては、よい経営といわれたが、今日では、資金を有効活用していないという面で、よい経営とはいわれなくなってきている。PBRやPERが低くなり、株主からの責めを負いかねない。

このような状況下、注目されているのが、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)である。一定資金を別枠でプールしてCVCを設立し、スタートアップ企業への投資を通じて、それら企業と連携し、それを新記事業立ち上げにつなげていく戦略である。日本経済新聞2019年4月30日によれば、2012年からの5年で、事業会社によるスタートアップ企業への投資は8倍に増加している。

CVCとは、通常のベンチャー・キャピタル(VC)とは異なる。通常のVCは、フィナンシャル(金銭的)なリターンのみを求めて投資を行うが、CVCは、事業会社によって設立されるVCであり、フィナンシャルなリターンではなく、ストラテジック(戦略的)なリターンを目指すものである。つまり、有望なスタートアップを探し出して、①新規事業のための技術シーズや事業シーズの獲得、または、②本業との事業シナジーの獲得を目指して投資して、投資先と積極的に連携していくことを目指す。いかに、コラボレーションしていけるかどうかを、最重視する。

このようなCVCの設立・運用が求められる背景やメリットは、昨今、スタートアップの立場が強くなり、投資もしない大企業は、有望なスタートアップが付き合ってくれないという状況がある。これが大きな理由である。そのため、特にメーカーは、社名だけではスタートアップへの投資の意思がわからないので、CVCを設立して、自分たちはスタートアップへ投資を行うつもりがあります、ということを明確にしておくことが大切である。CVCファンドを設立すれば、シグナリング効果が出て、向こうから情報が集まるようにもなる。さらには、新規のものに投資をして、新記事業をアクティブに立ち上げようとしている企業は、投資家からの評価も高まり、株価向上のためのIR対策にもなる。

CVCの設立は、中央研究所等を有していても、大企業は、いわゆる〝イノベーションのジレンマ〟でなかなか自分たちだけでは画期的な新しいイノベーションを生み出せない、という現状の打開策となる。

内部留保をだぶつかせ過ぎずに、有効活用し、次の時代の収益源の構築を目指して、CVCという手法・ツールを用いて、新しいことを果敢に進めていくことを考えてみてはどうであろうか。

そして、こういった企業の活動は、企業内部に眠ってしまっていた資金が、新しい産業創造に振り向けられていくものと捉えられる。日本経済の活性化に寄与する活動として、大いに期待したい。

冨田賢(とみたさとし)

Satoshi Tomita, Ph.D.冨田 賢

コーポレート・ベンチャーキャピタル・ジャパン株式会社 代表取締役社長
ベンチャーキャピタリスト / 立教大学大学院ビジネスデザイン研究科 教授

プロフィール詳細